現在CRCとして働いている人も、必ず新人期間があります。
初めは、治験とはどういう流れで進んでいくのか理解するところから、現場に出ると一度に覚える内容も多く、ひとり立ちするまで期間も内容も人によって様々です。
新人の内に分からない部分を聞き、その都度問題を解決していくことで、今後の自信にもなりますね。
年数がたって経験を積み、今度は自分が新人を教える立場になった時、経験を活かすことができます。
今回は新人期間に覚えることと、効率よく仕事をするための覚え方もご紹介します。
臨床研究コーディネーター(CRC)の新人期間には何をするの?
新人期間は覚えることが多くありますが、慌てずにゆっくり覚えることが大切です。
分からないところはそのままにせず、何度でも理解するまで聞くことも重要です。
頭の中で整理し、分からないところはその都度質問して、一つ一つ問題を解決していくのが良いですね。
先輩の仕事に付く
新人の期間は、先輩の仕事に付いて、一緒に行動します。
患者さんの対応などを近くで見て学ぶことがほとんどですが、何回か回数を重ねて、慣れてきたところで自分でも実際に対応します。
先輩が付いている時に、自分では気づかなかったところなど、アドバイスをもらえることもあります。
スケジュール通りに行かない時や、緊急時の対応などを何度か経験することによって、ひとり立ちした時も焦らず対応することができますね。
各部門に挨拶する
新人の期間は、各部門に挨拶に行きます。
どのお仕事もそうですが、挨拶はコミュニケーションの一つであり、自分から声をかけるきっかけにもなります。
外来や検査部、薬剤部、事務局などがありますが、これらの部門はCRCを直接関わることも多いので、顔を覚えてもらうことが大切ですね。
顔と名前を覚えることで、信頼関係を築くこともできます。
アカウントを発行する
治験の業務を行うためには、治験協力者リストに協力者として追加する必要があります。
協力者として追加されて初めて、治験に関する業務が開始となります。
協力者に追加後は、さらにアカウントを発行する手続きがあります。
スクリーニング期に適格性を確認後、患者さんを登録する時や、症例報告書(CRF)を入力するために電子システム上で作業する時、アカウントを持っていることが必須になります。
このアカウントは、治験ごとに取得する必要があり、取得するためのトレーニングやテストもある為、手間と時間がかかります。
書類の対応など、早めに動くことが大切ですね。
仕事の覚え方は?
人それぞれ、仕事内容には覚え方があります。
一度聞いただけで覚えてしまう人や、何回も繰り返し復習することで覚える人もいます。
どんな覚え方でも、自分に合ったやり方を見つけ出すのが良いですね。
CRCの仕事は現場に出ながら覚えることも多いですが、GCP症例などの治験に関する法律、治験実施計画書(プロトコル)なども頭に入れておく必要があります。
全てを理解することは難しいですが、医師や各部門と関わる際に、質問も多くされるので、そこでしっかり答えられると、信用度も増しますね。
メモをする
新人期間は先輩に付いていることがほとんどなので、自分のデスクで作業するということはあまりありません。
そのため覚えたことを忘れないよう、メモを取るクセをつけておくことが大切です。
その場では分かったとしても、時間が経つと忘れてしまうこともあるので、後で思い返せるようにその日対応した内容や重要なことを、記録に残しておくのが良いですね。
上司や先輩に聞く
自分で分からないことを調べるのには、限界があります。
特にCRCの仕事は現場に出て学ぶことも多いので、判断に迷った場合は、経験豊富な上司や先輩に質問するのが良いですね。
ただし、過去に質問した内容を繰り返し聞いてしまうと、理解しているのかな、と思われてしまうので、一度聞いたことは忘れないようにしておきましょう。
現場に出て慣れる
新人のうちは、なるべく多く現場に出ることが大切です。
患者さんの対応など現場で学ぶことは多く、今後、自分が患者さんを受け持った時の対応力も現場に出る回数で変わっていきます。
言葉一つで信頼関係を築くことができたり、場合によっては信頼を失うこともあります。
誠意をもって接し、相手の立場に立って不安を取り除けるように行動することが大切です。
予定通りに行かないことが多いので、自分で考えて行動する力も養われ、ひとり立ちした後、対応できた時の達成感も変わっていきます。
まとめ
新人期間は覚えることが多いですが、この期間でしか学べないことも多くあります。
いかに経験を自分のものにできるかが重要ですね。
ある程度経験や年数を重ねると、できて当たり前と思われてしまうこともあります。
覚えたことを忘れないよう、自分で工夫しながら、向上心を持って取り組むことで、今後のCRCとしての業務にも生かしていくことが大切ですね。