CRCには、看護師や薬剤師、臨床検査技師など様々な職種がいます。
病院での実務経験後、CRCとして働いている人も多くいます。
そのため、専門的な知識や経験を持ち合わせており、様々な場面で役立つことがあります。
臨床研究コーディネーター(CRC)の仕事に看護師の経験は活かせるの?
CRCは職種別で分けると、看護師の割合が多くを占めています。
患者さんの対応にも慣れており、バイタル測定や点滴の投与など、治験の業務に関連した内容も多い為、様々な場面で経験が役立つことがあります。
患者さんの対応に慣れている
CRCは患者さんと接することが多く、性別や年代も様々な患者さんと上手にコミュニケーションを取ることが重要となります。
看護師は患者さんの対応に慣れており、コミュニケーション能力が高く、患者さんの気持ちに立って考えることができます。
こうすることで患者さんが安心する、理解するということを熟知しているため、臨機応変に対応し、患者さんとの信頼関係を築くことができます。
バイタルや採血ができる
バイタルサインでは、体温、体重、呼吸数、心拍数収縮期血圧および拡張期血圧の測定を行います。
測定に慣れているだけでなく、少しの数値の変動や患者さんの体調の変化にもすぐに気付くことができます。
また、治験薬投与の際は投与前、投与後30分後など、決められて時間内に採血が必要な場合があります。
医師または看護師に対応してもらいますが、時間が迫っている場合などは、自身で採血が可能なので効率よく実施することが可能です。
治験薬投与計画書(レジメン)を理解できる
治験では、投与する薬剤の種類や量、投与速度や投与量、投与順などを記した計画書が必要になります。
患者さんに安全に投与するために重要なレジメンですが、治験薬によっては手順が複雑であるものも多くあります。
実際に点滴の投与を行った経験があると、スムーズにレジメンを理解することができます。
実際に投与を行う際は、外来や病棟の看護師にレジメンを説明する機会がある為、質問の内容も予想した上で答えることができます。
臨床研究コーディネーター(CRC)の仕事に薬剤師の経験は活かせるの?
治験は薬を扱う仕事なので、薬剤師の資格を持っていると知識が役立つだけでなく、経験を活かすことができます。
薬剤師は薬に関する法律や医薬品の知識も理解しているため、あらゆる場面で対応することも可能です。
薬に関する知識がある
薬剤名や薬剤の効果に関する知識が豊富なため、薬剤名と効果をすぐに結びつけることができます。
治験に参加している患者さんが服用している薬(併用薬)の数は多く、一つ一つの薬を調べていく必要があります。
薬に関する知識があると、使用状況を早くに理解でき、効率よく作業することが可能です。
調剤ができる
調剤とは、薬の処方箋に基づいて医薬品を交付することをいいます。
CRCの仕事では調剤は行いませんが、治験薬の処方を依頼する際、知識があると調剤にかかる時間を把握できたり、適切な投与量を理解することができます。
また、薬の量だけでなく薬の濃度を調整するために必要な計算式を理解しているため、計算することにも慣れています。
薬に関する法律を理解している
治験はGCP省令という法律に沿って行われますが、薬剤師法など、薬に関する法律を理解しているので、円滑に治験を進めることができます。
法律に沿って治験が行われていない場合、逸脱となり、安全上や倫理上、問題となってしまいます。
臨床研究コーディネーター(CRC)の仕事に臨床検査技師の経験は活かせるの?
患者さんは治験のための採血や検査を決められたスケジュールで行う必要があります。
そのため、患者さんの検体処理や検体の発送などを行うことから、臨床検査技師と関わることも多くあります。
実務経験があると、検体処理にかかる時間や検査に必要な量の把握ができるため、問い合わせがあった場合にも対応することができます。
また、検査項目の基準値を把握しているため、血球項目や酵素、腫瘍マーカーなどの異常値をいち早く気付くことができ、患者さんの安全にもつながり、治験を円滑に進めることができます。
臨床研究コーディネーター(CRC)の仕事に臨床開発モニター(CRA)の経験は活かせるの?
CRAの仕事は、治験を治験実施計画書(プロトコル)通りに進めるために行う仕事です。
そのため、プロトコルを理解しているだけでなく、治験に必要な手続きや書類の有無も把握しており、CRCからの問い合わせにも慣れています。
CRCはプロトコルをもとにスケジュールを立てたり、適格性を確認するため、プロトコルの理解が重要となります。
まとめ
CRCの仕事は幅広い業務を行う分、それぞれの専門的な知識も重要になります。
職種によって専門分野は違いますが、どの分野の経験もCRCの仕事に活かすことができます。
看護師や薬剤師、臨床検査技師、CRAは、CRCとしても直接関わる職種なので、相手の仕事内容を理解できるのは大きいですね。
これまでの経験をCRCの仕事にも活かすことで、自分の自信にもつながります。